2023年1月29日(日)日経新聞スタイル
「前例に倣わず考え続ける」
工芸を中心に生活雑貨を扱う中川政七商店(奈良市)13代目社長(現会長)のインタビュー。
約300年前から奈良晒と呼ばれる高級麻織物の卸売業として創業し、中川さんが入社した2002年段階では、卸事業メインだったとある。
入社後、卸売りだけではなく、製造から小売まで一貫して行うSPAを確立し、全国に店舗を拡大。会社のブランド構築を進め、他の工芸メーカーへのコンサルティング事業も立ち上げた。08年に33歳で社長を就任。18年に引くまでの16年で年商は4億円から52億円に拡大したとあった。
世襲にこだわりがなく、「むしろ良い会社を目指す第1歩として自分の次の社長は中川じゃない人間にすることを最初に目標にした」という。
中小企業診断士としては以下の点が興味深い。
引用
「心理学者アブラハム・マズローが人間の要求を分類して示したように、法人にも自己実現の欲求があり、自分達の存在意義を実感することは欠かせない。社会貢献、利益追求、そして自己実現という3つが重なるところで、会社の事業は存在すべき」
とあった。
会社というものに希望がもてる考え方だ。
個人的には、どうしても会社という集団や組織についてはネガティブな働きがおきると思っている。例えば集団浅慮のように判断を誤ったり、集団から抜けていく人に対し、ルサンチマンを持ったり。
また、会社は利益の追求が前提であるが、大きくなるほど利益追求より人事など権力闘争が優先されたりする。
上記の3点を考えるようにしたい。
また、
「『実はずっと前からライフスタイルよりもライフスタンスが大切なんじゃないかなって思っていた』と語るように、目に見えにくい根幹の姿勢が、ブランドそのものに強く影響を与えると考える。」
というところも印象的だ。
他の記事でも、要は生き方だと、生き方の表出としてのスタイルであり、プロダクトがあると言っていた。
考え方がとても明確でシンプルだと感じるとともに、なかなか行動まで一貫することは難しい。生き方は、マーケティングのような表面部分にも出てしまうし、出てないのであればそれは嘘になってしまう。
何となく、DHCを思い出した。商品力も知名度もあったが、差別的な発言や報道活動によって私としては嫌悪感がつのった。
結局、2022年11月にオリックスが株式譲渡を受ける合意が成立したようだ。
良いスタンスを持って働きたいと感じる。
参考https://note.com/coten_inc/n/nc4fd61e78fc4#dd789102-f32e-4a44-97ec-343e6a6da9e9