2023年1月13日(金)日経新聞朝刊
「政府統計にも不可欠な『人への投資』」
森川正之一橋大学教授
(エコノミスト360°視点)
統計については、わたしはさっぱりなのだが、現政権の経済政策の柱の一つ「人への投資」について興味深い記事だった。
※政府統計
政府諸機関が、国政上の必要からいろいろな統計を作成。これらを総称して「政府統計」という。
まず、政府が人への投資を重視する点について、
引用「労働力の質の向上は、イノベーションと並び長期的な経済成長の二大エンジンだから、人への投資を政策の重点とするのは適切だ。」
とある。
そして、企業の教育訓練投資の効果について、
引用
「生産性や賃金がどれだけ上がるかで判断できる。筆者が『企業活動基本調査』のデータを使い分析したところ、教育訓練投資が生産性と賃金を引き上げる効果は大きく、投資収益率に換算すると設備投資よりもはるかに高い。」
とあった。
加えて、この効果は何年かにわたり持続するという。
これはけっこう意外だった。
教育等人への投資の効果は見えにくく、すぐに出るわけでもない、と思っていたからだ。
人的資本投資の情報を含む企業パネルデータを使って検証することで、効果的な政策への資源配分を増やし、効果のない政策は減少させていくことにも、データは不可欠だとあった。
データに基づく政策立案を、EBPMという。
英国で先行していたと思うが、日本でも総務省が資料など出していた。これもデータによる統計的分析によって行われる。
防衛費の増額と、社会保障関連の改悪がどんな結果をもたらすのか分析してもらいたい。
なお、「e-Stat」という「政府統計の総合窓口」(http://www.e-stat.go.jp/)で、各府省の統計を検索して、便利に利用できるようになっている。
また、「社会人のためのデータサイエンス演習」など無料で受けられる(オンライン)ようで、やってみたい◎
受けるには以下のリンク
https://gacco.org/stat-japan3/
また、データ分析について大学でも育成が行われている。データサイエンス学課というのを設けている大学もある。
参照:データサイエンスが学べるおすすめ大学15選https://data-viz-lab.com/datascienceuniversity