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高校生の就職をもっと考える

2023年4月10日(月)日経MJ
「ENTLI、高卒デジタル求人票」

高校新卒の採用活動を支援するサービスを提供しているスタートアップのENTLI(エントリ、大阪市)が、ベンチャーキャピタルから資金調達したという記事。

3月26日のBRIDGEにもチラッと掲載があった。

引用
「高校生の就職は、学校斡旋により求人企業を開示紹介されることが一般的となっているが、7月1日の解禁以降、例年1,000件以上の求人票が学校にすべて紙で届けられ、生徒へ開示閲覧するための煩雑な作業を進路指導教職員が行っていて業務負担は大きい。」

とのこと。
なるほど👀そこにテクノロジーが入るというのは、就活生にとっても検索ができるようになるなど良い影響がありそうだと感じた。

2022年度の大学進学率は56.6%
短大・専門学校など含む高等教育機関への進学率は83.8%とあり(2022年12月21日教育新聞)、高卒での就活はわりとニッチといえる。
高校生の就職活動では学校斡旋が一般的とされていて、教職員の負担は大きそうだ。

令和2年3月末の高校卒業者に対する求人数は約48万4千人。
求人倍率は2.89倍で、ここ数年は上昇傾向を継続しているようだ。
求人数は、ピーク時の平成4年では170万人程と、長期的には激減している。それだけ、大学などへの進学が増えていることと関連していそうだが、どちらが卵でニワトリなのかはよく分からない。

キャリア教育支援協議会https://s-kyogikai.com/career/market

先日も取り上げた中村淳彦さんの著書「東京貧困女子」では、
「親が低所得なのに大学進学という選択に拍車がかかっているのは、高卒就職の激減が理由である」
とする。

令和2年で奨学金を受給している学生の割合は、
大学(昼)49.6%
短期大学(昼)56.9%
大学院修士課程49.5%
大学院博士課程52.2%
とあり高い。
(生命保険文化センター)
卒業をひかえて初めて、500万円以上の借金にパニックになる子もいるという…そりゃ10代では理解も判断も難しいだろうし、詳しい説明も受けず、経験もないため返済の想像もし難い。もし自分が奨学金を借りていたらと思うと恐ろしい。

私は全く別で20歳のころローンを組んだ。今考えると成人したての子を狙ったビジネスだった。1つはエステ、もう1つはスキューバダイビングだ。どちらも完済したけれど、200万円以上のローンだったと思う。
すっかり忘れていた…
他にもあったかも。

奨学金を返済するために、AVに出演する子もいるという。
これらは、全く別のようで、共通するところがある。若い頃の無知、不安、コンプレックスなどにつけ込むという点で巧妙なのだ。

高校生一人一人がライフプランニングをするというのも1つだろうか。
高校生用のライフプランニングもあるけれど、そこには、子どもを早く産もう!というようなこと書いてあっても、借金の仕組みと返済、社会保障の利用や生活保護については1文字もなさそうだ…。

森岡毅さんが「苦しかったときの話をしよあか」のなかで、
「資本主義とは無知であることと愚かであることに罰金を科す社会のことである。」と書いたことは、本当に言い得ている。