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2023年4月21日(金)日経MJ
「オンデーズ『社内出稼ぎ」』月最大15万円」

眼鏡小売りのOWNDAYS(オンデーズ、那覇市)の「社内出稼ぎ制度」が好調な滑り出しを見せているという記事。
人手不足の状態が続く店舗を支援する狙いで、国内店舗に短期間出張してもらう社員に対し、最大で月15万円の特別手当を支給するというもの。
転勤ではないところがポイントだろうか。

引用
「今回の制度創設の背景に、収入増を求める社員の士気を高めることもある。しかし、社内では転居を伴う異動が従来のように機能しづらくなってきたことも挙げられる。同社の田中修治社長は
『近年は転勤するぐらいなら転職した方が良いと考える人が増えてきた』と指摘する。」

とあった。
人材確保が最重要課題となりつつあると感じる。採用でかかる経費も、転勤でかかる経費もそれなりであり、「出稼ぎ」という制度のデザインはおもしろい。

転勤については、以前も取り上げたが、日本の「辞令ひとつでどこへでも」というものが見直されつつある。
大きな要因としては、共働きが増えたことだろう。

INSEAD准教授が、26歳から63歳まで、日本を含む32ヵ国113組のカップル(同性カップル、事実婚、再婚含む)を調査した
『デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』

には、以下のようにあった。

引用
「仕事に伴う移動は増えつつあり、昨今ではますます多くのカップルがジャスミンとアレハンドロと同じような選択に直面している。40年まえなら、大半のカップルにとって選択は容易だった。
男性のキャリアが優先されたからだ。
最近のカップルはもっと平等で、昔ながらの基準で決断を下す人はほとんどいない。さらに、どんな仕事も以前より不安定になってきたので、自分たちの選択の結末を長期的に見通すのがむずかしい。
~キャリアの一大チャンスが神経をすり減らす難題になりうるのだ。」

デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える https://amzn.to/42QrtrN

この本を読んで感じたのは、とにかく話し合うことが大事ということ。お互いに譲れる所はないかと。
我慢した方も恨みを持ってしまい苦しいが、我慢させた方もまた罪悪感を持ち苦しい。

ただ、転勤に楽しみや成長などのチャンスがないわけではない。異なる文化圏で生活することは新たな発見も多い。しかも会社で家賃負担があったり、手当てが増えたりメリットもある。
問題なのは、会社命令による一方的な転勤だろうか。
転勤の猶予制度を導入した会社もあり、タイミングを選べたり、子育てが落ち着いたころにチャンスがまたもらえたり、柔軟な設計がよさそうだ。
女性にとっては、やはり外資系企業の方が働きやすいと聞く。この際、日本企業を選ばないというのも手かもしれない。