2023年5月12日(金)日経MJ
シン・ヒットの法則(下)
「日常の『あるある』を言葉に」
(MarketingEdge)
市場生み出す記号化の力、という記事。
引用
「仕事したり、生活をしたりすると、誰もが『またか」と』思うことがあります。
私の場合、一つが『カフェのサラダの皿が小さい問題』です。ドレッシングをかけ、かき交ぜるとおおむねこぼれます。そのくせドレッシングが少なく、野菜全体に浸透しません。ちょっぴり残念なランチになります。」
というようなことを、言語化・記号化したり、形にしたり、改善したりする行為がマーケティングだといえるとあった。
「朝シャン」「女子会」「山ガール」など。これにより、市場ができてビジネスチャンスも大きくなる。記号化マーケティングだと。
また「婚活」や「妊活」もあがっていた。
人の行動は多様だが、共通化していることが多く、そこに着目する、あるあるを言語学する、そうすると共感が得られる、そして市場になるということだろう。
一方で、問題提起もされている。
特に、○○活には、以下のような記事があった。
2022年7月23日(土)朝日新聞
「『活』が隠す社会のゆがみ」
堅田香緒里さん、社会福祉学者
引用
「〇活」が世の中に溢れている背景には、国が個人に自立や活躍を促していることがあると思います。」
「結婚しない人、子供を持たない人が増えても、『どんな生き方も社会で支えよう』とはならず、『婚活』『妊活』で元の社会の形に引き戻そうとする。
『活』で想定されるのはどんな人なのか。努力を促す政策の対象になっているのは誰なのかを考えると、女性や貧困層など強者でない場合が多いのです。
それなのに市民の側が福祉を求める声を強くあげられないのは、頑張らなければいけないという価値観を内面化しているからかもしれません」
とある。
マーケティングは国によっても行われる。
コロナ禍で、様々な助成金や補助金が支払われた。経産省の補助金を申請し、獲得するには、やはり、国の施策に自社のビジネスがどれだけ沿っているかという点もポイントとなる。
そこで補助金がおりれば、その施策に沿ったビジネスが展開される。
もちろん、マーケティングも行われる。
だからこそ、政治が消費者に与える影響も大きいのだ。
残念なサラダが変わるのは嬉しいけれど、生き方や幸せについては、自分を見失っているとマーケティングにまんまと乗せられてしまいそうだ。